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鴻門之会 ③

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鴻門之会 ③

本文

於此張良至軍門、見樊噲。
樊噲曰、「今日之事何如。」
良曰、「甚急。今者項荘抜剣舞。其意常在沛公也。」
噲曰、「此迫矣。臣請、入与之同命。」
噲即帯剣擁盾入軍門。
交戟之衛士、欲止不内。樊噲側其盾、以撞。衛士仆地。噲遂入、披帷西嚮立、瞋目視項王。頭髪上指、目眦尽裂。


そこで張良は軍門に入って樊噲に会う。
樊噲が言うことには「今日のことはどのような様子ですか。」と。
張良が言うことには、「ひどく差し迫っている。今項荘は剣を抜いて舞った。その気持ちは常に沛公を殺すことにあるのだ。」と。
樊噲が言うことには「それは切迫した状況だ。私は何とかこの宴の席に入って、沛公殿と生死をともにしたいものだ。」
樊噲はすぐに盾を抱えて軍門の中に入って行った。戟を交差させて検問する門番の兵士は樊噲を止めて門の中に入れようとしなかった。樊噲はその盾を体にあてがい、斜めに傾けてそれで兵士を突き倒した。兵士は地面に倒れた。樊噲はとうとう入って、垂れ幕をかきあげて西に向かって立ち、目をいからして項王をじっと見る。頭髪は上を向いて、まなじりは全て裂けるようであった。


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